眼科で勤めていると、目がしょぼしょぼする、疲れるので何とかしてほしいと訴える人があとを絶ちません。
原因を調べてみると、「パソコン作業やスマホを長時間見続けることが多い」「裁縫を長い時間している」といった、長時間の近業作業によるものがほとんどです。
仕事ではなくてもゲームが身近になり、外で遊ぶことも少なくなったために「スマホ近視」とよばれる目の疾患が増加傾向にあります。
近くを見る生活が長くなると、頑張って近くにピントを合わせようとして、毛様体筋というレンズの厚みを変えることに関係している筋が緊張します。
年齢が若いと筋肉も弾力があるために近くにピントを合わせやすいので、遠視の人でも気にならない場合が多いのですが、年齢を重ねるごとにピントを近くに合わせることが困難になり、眼精疲労の症状に悩まされることが多くなります。
「日常的に目の疲れがあるから諦めている」という人も少なくはないでしょう。しかし、このまま症状を放置していると、首筋や肩のこり、吐き気やめまいなどの体の症状を引き起こし、日常生活に悪影響を与えるケースも少なくはありません。
目の疲れを予防したり、改善する方法はいくつかあり、実感できる効果を期待できるものばかりです。
予防や改善の一つに目の周りの筋肉を和らげる、ということがあります。
目の周りの筋肉を和らげる方法はいくつかあるので、色々試して続けやすいものを見つけてみましょう。
それでは私がおすすめしたい方法を大公開します!
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疲れ目改善にはツボ押しやマッサージ、目の体操が効果的!
目の周りの筋肉をほぐす、といっても、どのようなことをすればいいのかなんてわかりませんよね。
目の周りには多くの筋肉やツボが存在していて、その筋肉やツボに適正なアプローチを行う事でかなりの改善が期待できます。
筋肉には多くの血液が流れていて、血行を良くすることで栄養の流れや吸収も良くなり眼精疲労の改善につながります。
また、目の周りにはリンパ液が流れているので、マッサージを行う事で老廃物の溜まりがなくなり瞼がすっきりするのです。
目を動かすことでも筋肉を伸ばしたり縮めたりすることができ、美容的にもたるみや目の下のクマの改善になるので、女性には良いことばかりです
疲れ目には目の周りのツボ押し!簡単な方法はコレ!
疲れ目の改善として簡単で効果が高い方法にツボ押しがあります。
目の周りには多くのツボが存在し、ピントの調節に重要な水晶体を支える毛様体筋の緊張を緩めるツボもあります。
毛様体筋の緊張を緩めることで、症状の改善につながることが期待できます。
ツボ押しは、より効果を上げるために蒸しタオルで目を温めたりゆっくりと入浴した後に行うのが理想的です。
また、ツボ押しは食事の前後30分や体に炎症があるとき、偏頭痛、発熱、飲酒後は行わないように気を付けてください。
それでは目の疲れに効果的なツボと、ツボ押しの方法をご紹介します。
攅竹(さんちく)、糸竹空(しちくくう)、四白(しはく)
- 攅竹…両眉頭のくぼんだ部分で、頭痛、眼精疲労、ストレスを解消するツボです。
- 糸竹空…両眉尻のくぼんだ部分で、眼精疲労や歯痛の改善に効果を発揮します。
- 四白…瞳孔から垂直に降りたところの、頬骨の少しくぼんだ部分で、眼精疲労や肩こりの改善、視力回復に効果があるといわれています。
押し方
攅竹を中指、糸竹空を人差し指、四白を親指の腹で3秒程度押します。
左右同時でも、片側ずつでもかまいません。
左右とも5回行いましょう。
攅竹(さんちく)、下晴明(げせいめい)、球後(きゅうご)
- 下晴明…目頭より鼻側方向にやや下で、頬骨のくぼんだ部分で、ドライアイや目の疲れの改善に有効だといわれています。
- 球後…頬骨の縁と目尻を結んだ直線の真ん中で頬骨のでっぱった部分で、目の疲れや、ストレスからくる目の痙攣の改善に効果があります。
押し方
攅竹を人差し指、下晴明を中指、球後を親指の腹で3秒ほど5回押します。
魚腰(ぎょよう)、瞳子髎(どうしりょう)
- 魚腰…瞳孔の真上で、眉の真ん中で、老眼や乱視の改善に効果があるといわれているツボです。
- 瞳子髎…眉尻より1㎝外側のくぼんだ部分で、眼精疲労や充血に効果があります。
押し方
魚腰を中指または人差し指、瞳子髎を親指で3秒ほど5回押します。
瞳子髎、四白
押し方
瞳子髎を人差し指、四白を親指で3秒ほど5回押します。
ツボ押しのコツと注意点
ツボ押しのポイントは、指の腹を使って痛気持ちいい程度押すのがおすすめです。
強い痛みが出るまで推してしまうと逆効果になる場合があります。「痛気持ちいい」というのは人それぞれ感覚として違います。
自分にとってどのくらいの圧が丁度良いのかは、まず軽く押すことから始めてみて、徐々に力を入れていき、目がスッキリするポイントを探してみるのもよいでしょう。
また、間違って眼球を強く押してしまうと迷走神経反射によって嘔気や気分不良などを起こすこともありますので、眼球を押すのは控えてください。
食事の前後30分や体に炎症があるとき、偏頭痛、発熱、飲酒後は行わないように気を付けましょう。
マッサージで疲れ目知らず!効果的な方法はコレ!
疲れ目やしょぼつきなどの症状にはマッサージも有効です。目の周りには表情を作るためや、目を支えるための筋肉があり、血行を良くすることで筋肉がほぐれ、疲れ目の解消につながります。
マッサージを行う前にホットタオルを作り、目の上に30秒ほど乗せて温めるとより効果が高くなりますので是非やってみてください。
目の周りのマッサージを行う時の注意点は、擦ったりぐるぐると強く揉みこまないことです。
目の周りの皮膚は非常に薄く、摩擦の影響を受けやすくたるみの原因になってしまいますので優しく行うようにしましょう。
マッサージの方法
目を閉じて瞼の上に目頭の上のあたりから薬指、中指、人差し指を置き、ゆっくりと薬指→中指→人差し指と順に軽く力を入れながらスライドさせていきます。
3回ほど行ったら手を離し、次は目頭の下あたりから薬指、中指、人差し指を置き、瞼と同様にマッサージを行います。
眼球は押さないように、あくまでもあまり力をいれずに優しくマッサージするように心がけてください。
最後に優しく両目に手のひらをあてます。
人肌でほんのり温めることでリラックス効果もあるので、体の疲れを感じている人は試してみる価値アリです。
目の体操で疲れを吹き飛ばそう!
パソコンを長時間見ていると、目の周りの筋肉も凝り固まってしまいます。
肩こりがおこった時にみなさんは肩を回したりすると気持ちが良くなったりしませんか?
目の周りにも筋肉がたくさんあるので、目の体操をして筋肉のこりをほぐすのも疲れ目の改善には非常に役立つのです。
目の体操は特別な準備が不要なので、いつでもどこでも簡単に行う事ができます。
パソコン作業の合間の休憩などで、目の体操をしてリフレッシュするのも良いですよ!
ギューッ、パッ体操
わかりやすくいえば、目の筋肉の屈伸運動のようなものです。
- おもいっきり目をギューッと3秒つぶります。
- その後パッと見開いて、目の周りの筋肉を伸ばしたり縮めたりします。
5回×3セットを基本にしてみてください。
近業作業の合間に1日数回、隙間時間に行うと1日の終わりの疲れ目が随分違ってくるので、試してみましょう。
ウインク体操
- ゆっくりと10回、左右交互にウインクをします。
- 次に早く10回、左右交互にウインク。
- 最後に強めに10回行ってみましょう。
ポイント
この時の視線は遠くを見るようにすると、毛様体筋を緩めることになるので、より疲れ目の改善につながります。
1日のほとんどの時間、近くを見る生活だという人は、体操の時に意識的に遠くを見るようにしましょう。
簡単な様ですが、真剣に行うと難しいので、楽しみながらやってみましょう。
この体操を行う事で涙の分泌が促されるので、ドライアイの予防にも繋がります。
ドライアイになると角膜に傷がついて視力に影響があり、疲れ目も悪化してしまうのでウインク体操を積極的に取り入れましょう。
上下左右体操
- まっすぐ前を見て、両目で3秒右を見て、正面に視線を戻します。
- 両目で3秒左を見て、また正面に戻りましょう。
- 同じように両目で3秒上を見て、まっすぐ前を向きます。
- 両目で3秒下を見て、ゆっくりと真正面を向き、最後に両目で鼻を3秒見ます。(より目になる様に)
大きく目の周りの筋肉を動かすことによって筋肉がほぐれ疲れ目の解消につながります。
ポイント
ポイントは目だけを動かし、顔は常に正面を見る事です。
顔が動くと、目の筋肉の動きが小さくなるので気を付けましょう。
ぐるぐる体操
- 真正面を向いて、ゆっくり時計回りに3周なめらかに目を回します。
- 次に反時計回りに3周なめらかに目を回しましょう。
- 最後に両目で3秒鼻先を見ます(より目になるように)。
- 真正面を向いて終了です。
ぐるっと大きく目を回すことで、目の筋肉のストレッチになります。
早く回すと目が回って気分が悪くなることもあるので、自分にあったスピードで行う事が大切です。
ワンポイントアドバイス!
パソコンを長時間見る場合は、10分に1回程度パソコンから目を離し、遠くをぼーっと見るようにして、1時間に1回、簡単で良いので目の体操を取り入れてみてください。
目を動かすだけですっきりとして、疲れ目が軽減しますよ!
目の周りの筋肉を解して疲れ目知らずな毎日を送りましょう!
目の健康にとって効果的なマッサージやツボ押し、体操を紹介しました。
どれも簡単でちょっとした時間に行う事ができるものばかりです。
しかしどの方法も、近くを見ながら行うと効果は半減してしまいます。
これらを行う時には、意識的にパソコンから目を離し、遠くや中距離をぼんやり見ながら、気持ちもリラックスするように心がけましょう。
毛様体筋の緊張は、首筋や方の筋肉にも関わっているので、首や肩のストレッチも取り入れると、更に効果が高くなることが期待できます。
今日から目の疲れに効果的なマッサージやツボ押し、体操をして、疲れ目のない日々を送りましょう!
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目に疲れがたまらないよう、普段からマッサージを習慣づけられるといいですね。
また、根本的に目が疲れにくくなるような予防策をとるのも良いでしょう。
おすすめなのは、ルテイン配合のサプリメントを飲むことです。
たくさんの手順を覚えなくても、毎日飲んでいるだけで目の健康をサポートしてくれますよ。